Jolly Phonics」カテゴリーアーカイブ

Jolly Phonics関連の記事です。

アメリカ発音でレターサウンドをどう教えるか–Sounds of Letters CD

Jolly PhonicsのDVDには、アメリカ発音のレターサウンドの発音があるのですが、それがどのような音で、どのように発音するかははっきり説明されていません(もともと発音はできますもんね)。けれども、日本の子どもにとっては、レターサウンドの勉強=発音の勉強になってしまいます。

ということで、アメリカ発音でレターサウンドをどう発音すればいいのか、説明してくれている教材を探していて、みつけたのがこれ。Harcourtから出ているSounds of LettersCDです。

たとえば、レターサウンド’o’については、お医者さんの前で口をあけて言う音と説明されています。Jolly Phonicsでは’ar’の時に、そんな風に説明するので、かぶっちゃいますね。 ‘s’の音を蛇の声だとする説明や、’z’は蜂の飛ぶ音だという説明については、Jolly Phonicsと一緒でした。

‘m’や’n’の音を子どもに教えるときは、鼻をつまんで発音させるといいですよ。なんていう、具体的なアドバイスもされています。フォニックスを教えようとする先生にお勧めのCDです。

 

Phonicsの速習コース、加えました

Jolly Phonicsを教えるにつけて、唯一心配なのが、「かわいすぎ」なところ。小さな子どもたちが振付といっしょに文字と音との関係を学んでいく様子は、とってもほほえましくてよいのですが、中学生や高校生には、ちょっと気恥ずかしいところがあるかなぁと思うのです。
また、Jolly Phonicsでは運筆についても詳しく教えるのですが、すでに英語を習っている中学生や高校生には、ほとんど必要ありません。
さらに、小学校6年生以上には、英会話と受験英語を結びつけることをコンセプトとしたB1コースからスタートしてほしいけれども、フォニックスも知っておいてほしい・・・。
ということで、小学校6年生以上を対象とした約3カ月で終了のPhonicsコース(UB3コース)を追加しました。
計13回で42のレターサウンドと最重要100単語、を学んでしまおうという欲ばりなコースです。つめこみだけで終わらないように、デコーダブルブックスを利用して、英語の本も読んでいく予定です。

お楽しみに。

英語耳とJolly Phonics

ずいぶん前におおはやりした「英語耳」関連教材。
今改訂版が出ていて、少し値段も安くなっているんですね。

改訂版の付録に「フォニックス方式によるまとめ」
というのがついて、私が2年かけて教えていこうと思っているものを簡潔にまとめてくれています(たった2ページになっている…)。

(1)子音字についてのルール
英語耳では1~4までのルールが記載されてます。
ルール1、ルール3については、Jolly Phonicsはレターサウンド、オルタナティブスペリングとして習うものです。
ルール2については、’ソフターc’として習います。
ルール4についてはオルタナティブスペリングに含めるか、サイレント○○で習うものが多いです。

(2)母音字についてのルール
こちらは、Jolly Phonicsの教え方にあてはめにくいですね・・・。
ルール5については、ショートヴァワルとして習います。ただし、yについては、シャイiという法則で習います。
ルール6については、マジックeとして習います。
あとのルールは、レターサウンドとして登場するものや、オルタナティブスペリングとして登場するものが多いです。

英語耳、今更ながらですが、いい教材ですね。
おすすめです。

怒涛の教材買い

もうすぐ(最後の)ボーナスが出るのをいいことに、怒涛の教材買いをしています。

(1)Primary PhonicsのStorybooksセット。
これはアメリカ版フォニックス用デコーダブルリーダーです。
白黒で、絵もあまり上手でなく、しかも話もそんなにおもしろくない・・・。
けれど、このリーダーのよいところは、クラスルーム用CDがあるところ。
アメリカ発音で、ゆっくりとリーダーを読み上げてくれます。
リスニングそしてスピーキング教材として、利用する予定です。
アメリカの出版社から直接購入しました。

(2)Jolly Phonics DVD
以前にも紹介した、Jolly PhonicsのDVDです。
amazon.ukで追加購入しました。
Jolly Songsはイギリス発音しか入っていませんが、Jolly DVDは、アメリカ発音に対応しています。
DVD単体ではなかなか売っていないので、数があるうちに買っておこうと購入しました。

(3)Oxford Reading Tree, Read at Home Biff, Chip and Kipper Collection
これは、まだ届いていないのですが・・・とうとう購入しました!
以前のread at home(31books)はすでに購入済みなのですが、48 booksの方も購入しました。
こちらもamazon.ukで購入しました。
ORTについては関心度も高いと思うので、届いたら詳しく報告しますね!

筆記体とフォント — Sassoon Linked購入しました。

Jolly Phonicsでは、ダイグラフ(ふたつの文字で1音をあらわすもの)を学習する頃から文字をくっつけて書くことを推奨しています。Mami ECでも、第4グループのai(最初のダイグラフ)を学ぶころから、筆記体を教える予定です。
ダイグラフを一筆書きで書きたいですもんね。

そこで、ワークシートに使用するためのフォントを購入しました。
画像1のフォント。
これはJolly Phonicsで採用されているSassoon Fontsの仲間でSassoon Linkedというフォントです。
このフォントがワードや画像処理ソフトで使用できればよいのですが、専用のソフトを使わないと使えません。

そこで見つけたのが、2,3のフォント。
Learning Curveというフォントです。フリーで配布されています。
確かに、きれいに筆記体をかけるけれども、Sassoon Linkedと異なり、今までに習った文字との連続性があまりないですよね・・・。

結局少し手間はかかりますが、SassoonLinkedあるいはjoinedフォントを使ってワークシートをつくろうと思っています。

パソコンをアップグレード—教材づくりが楽になりました。

vowelhand

新しいデスクトップパソコンを購入しました。
今さらWindows Vistaです。

英語のレッスンで使う各種ワークシート、道具をPhotoImpactという画像処理ソフトを使って作っているのですが、このソフト、Windows7に対応していないのです。
過去、PhotoImpactにいれこんでいたときがありまして(Jolly Phonicsのように!)、そのホームページまで作っていたのですが、なにせマイナーなソフトだったので、開発を続けるのが難しくなったんでしょうね。いいソフトなのに。

ということで、PhotoImpactを使うことのできる、WindowsVistaのVaio(中古)をソフマップで購入しました。メモリ4ギガ、ハードディスク1テラです。ディスプレイも大きくなり、めっちゃ快適です。

ここで、今までに作った中でお気に入りの教材を紹介。
いちばんめはキャタピラーズ。
Jolly Phonicsでは’c”a’などぐるりと反時計回りに運筆するものをキャタピラーCと呼んでいます。
キャタピラーCの仲間の運筆練習用ワークシートです。

にばんめはバワルハンド。
Jolly Phonicsでは母音を指に割り当てて覚えていきます。
画像は短母音のバワルハンド。
5つの短母音のレターサウンドを勉強した後は、このバワルハンドを使って子音+母音の発音を練習するようにしています。

ちょっと絵が下手なところがよいでしょ・・・。

 

EARLY READING FIRST ~US Department for Education

アメリカでの「読む力」教育について調べていたら、アメリカは小学校に入る前に、言葉の力をつけるようにしているようですね。
EARLY READING FIRST
というもので、特に低収入家庭の子どもに、学校に入る前に言葉の力をつけさせようとしているようです。
”Good Start, Grow Smart”
という標語(?)で行われているようです。

Jolly Phonics のtraining courseにも幼稚園の先生が多いと思ったら、そういうことだったんですね・・・。

EARLY READING FIRSTでは次の4つをポイントとしているようです。
1 Oral language (vocabulary, expressive language, listening comprehension)
2 Phonological awareness (rhyming, blending, segmenting)
3 Print awareness
4 Alphabetic knowledge

Phonicsは2~4に関連することになりますね。

アメリカで薦めているのはSystematic and explicit phonics。

Systematic and explicit phonics、って呼んでいるから検索にひっかからなかったんですね。

アメリカでもシンセティックフォニックスがよいとされていました・・・。
こちらでみっけました↓
http://www2.ed.gov/admins/lead/read/rb/edlite-slide010.html
2002年のレポートです。
(以前2000年のレポートについて投稿しましたが、その後もちゃんと調査が続けられていたんですね。)

Systematic and explicit phonics instruction is more effective than non-systematic or no phonics instruction.
(システマティック・エクスプリシットフォニックスの指導の方が、ノンシステマティックなフォニックスの指導またはフォニックスの指導をしないよりも、効果的である。)

システマティック・エクスプリシットフォニックス=システマティック・シンセティックフォニックスのことでした。↓こちら。

http://www2.ed.gov/admins/lead/read/rb/edlite-slide013.html

アナリティッック・フォニックスのことは、インプリシットフォニックスと呼んでいるようです。

各国で呼び方を変えるのやめてほしいなぁ・・・。

やはり、アメリカでは、できれば幼稚園で、無理でも小学校1年生からフォニックスを学ぶようにしているようです。

 

アメリカでのフォニックスはシンセティックフォニックス?

イギリスは、すべての学校でシンセティックフォニックスを学ぶように舵取りしているようですが、アメリカでは、どうなんでしょう。

アメリカの National Reading Panelから発行されている”Teaching Children to Read”
という文書を読むと、シンセティックフォニックスより、一段大きな概念、システマティックフォニックスが有効だと記載しています。
つまり、
1システマティックフォニックス
 (1)シンセティックフォニックス・・・Jolly Phonicsはこれです。
 (2)アナリティックフォニックス
 (3)エンベッデッドフォニックス
 (4)アナロジーフォニックス
 など
2ノンシステマティックフォニックスまたはフォニックス的な指導をしない
というような分類で、
「1の方が2より良い。」
という結論です。システマティックフォニックスのなかでどれがいいかは、もうちょっと調査が必要という結論を書いていました。ただ、シンセティックフォニックスが良い成績をあげていた(こどもがより読解力がある)ように読めました。

この書簡は2000年に発行されたもののようですが、Jolly Phonicsもちゃんと調査されていました。アメリカでも広く用いられているようです。確かに、わたしが受講していたJolly Phonicsのtraining courseでも、アメリカの幼稚園の先生がたくさん受講されていたような気がします。

 

なぜSynthetic Phonics(シンセティックフォニックス)?効果的だから!

イギリスで、2010年に刊行された学校白書”The Importance of Teaching”に記載されているように、イギリスでは、すべての学校でシンセティックフォニックスを教えるようにし、また、そのためのサポートをしていくようです。
・ホワイトペーパーのホームページはこちら
https://www.education.gov.uk/publications/standard/publicationdetail/page1/CM%207980

実際にシンセティックフォニックスについて、どのように記載されているか、みていきましょう。

(We will) Ensure that there is support available to every school for the teaching of
systematic synthetic phonics, as the best method for teaching reading.
(意訳:読む力を教えるために最良の方法である、体系的なシンセティックフォニックスを学校で教えるためのサポートをします。)
the teaching of systematic synthetic phonics as the proven the best way to teach early reading, and the management of poor behaviour in the classroom.
(体系的なシンセティックフォニックスは、読む力を教えるための、また学校で遅れ気味の子どもをのための、いちばんの良い方法であることが証明されました)

として、シンセティックフォニックスを採用することが明らかにされています。

ここで疑問なのが、「なぜ今頃」改革されるの?という点です。
私も、そんなにシンセティックフォニックスが有効なら、どうしてももっと早くの段階で導入されなかったんだろう・・・と思いました。

これは、たぶんsight wordsの呪縛から逃れられなかったんだと思います。

元々英語については、「レターサウンド化できるか」どうかについて大いに議論があったようです。
そこで、重要な単語についてはlook-and-say、見てわかるようにする(sight words)という教育がずっと行われていたようです。
あとは、pot, hotなど単語の一部が似ていることをとらえて文字と音を結びつけるword familyという勉強の仕方もありました。
ただ両方とも単語の記憶力がものをいう方法のため、文字を読めない子どもたちをおいてけぼりにしてしまう・・・ことになっていたようです。今回のホワイトペーパーを見ると、「誰でも」読む力を早期につけるようにする、ことに力点がおかれている気がします。そして、そのための最良の方法がシンセティックフォニックスだった、と思われます。