最近は、ジョリーフォニックスのトレーニングをする際に、できるだけジョリーグラマーの紹介もするようにしています。当教室では2年目以上の生徒が多くなり、Jolly PhonicsよりもJolly Grammarを学んでいる生徒の方が多くなりました。Jolly Grammarは、子どもたちがわかりやすいようにという視点で体系的に整理された、読み書きのためのプログラムで、教える私の方も上手く構成されているなと感心しています。ジョリーフォニックスで教えている方には、できるだけジョリーグラマーも使って欲しいと思っています。
ということで、今回は少し詳しくJolly Grammarを紹介したいと思います。
1.Jolly Grammarは実はJolly Phonics
1年目は、Jolly Phonics。2年目はJolly Grammar1ということだと、もう2年目は、Jolly Phonicsを卒業してしまうのか?と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、Jolly Grammarでもひきつづき文字と音の関係を学んでいきます。
1レッスンが二つのパートになっていて、一つ目がフォニックス、二つ目が文法です。
フォニックスパートでは、毎回スペル練習とディクテーション練習があり、今まで習ってきた文字と音の関係を復習しながら、新しい文字と音との関係を学習できるようになっています。
Jolly Grammar1で扱うフォニックスは、1年目のJolly Phonicsで学んだものの復習的な要素が強いです。難しいダイグラフ(sh,ch,ngなど)を復習したり、オルタナティブスペリング(ay,eaなど)を復習したり・・・。もちろん新しいコード(whなど)もありますが。
Jolly Grammar2からは、本格的により難しいつづり(phでfの音など)を学んでいきます。
2.低年齢の子どもに文法を教えるアイデア満載
Jolly Grammar1は、低年齢の子どもに文法を教えるプログラムのため、こどもがわかりやすいように、工夫がされています。
ネイティブの子どもたちがどんなふうに文法を学んでいるのかってすごく興味がありますよね。
Jolly Grammar1では色々な文法事項を扱っていますが、私自身は「品詞」にこんなに時間をかけているのかと驚きました。
確かに、品詞をしっかり把握しておかないと、単語をうまく操れないんですよね。複数形は「名詞」にsuffixをつける。過去形は「動詞」にsuffixをつける・・・。
文型はもっとあとです。Jolly Grammar3になってから。文型の前に、どの文にも動詞は必要だねということからはじめます(Jolly Grammar2)。
あと、be動詞もきちんと扱うのは、Jolly Grammar2になってから。わかりやすいように、動詞=動作の単語と教えるので、Jolly Grammar1で、動詞として紹介される単語は動作を伴った単語ばかりとなります。
だからといって、ディクテーションの例文なども文法的にすごく制限されているかといえば、そんなことはない。Jolly Grammar1で、be動詞の過去形も出てくるし、完了形まで出ています。ただ、単語が今まで習ってきたPhonicsを知っていれば「音から書ける」単語になっているのです。ですので、Jolly Phonics育ちの子どもならば、ディクテーションはできてしまうのです。
3.音節(Syllables)がそんなに大事なのか
Jolly Grammar3の途中からは、毎回「音節数え」が始まります。
正直なところ、「音節がそんなに大事なのか」という大きな疑問がわきました。
そこで、母音の本や音声学、音韻学の本を読むことになったのですが・・・。
Jolly Grammarの説明書きでは、音節認識は、
-スペル向上
-アクセントに気を付ける
ためによいと書かれています。
ただ、実際に自分で音節数えをしはじめると・・・結局は「単語との戦い」です(笑)。
特に(1)アクセントのある母音の位置を把握しているか、そしてそれはどんな音か。(2)アクセントのない母音の音はどんな音か(3)そもそも母音が無いものに母音をつけていないか。
が試され、かなり勉強になります。
4.Jolly Phonics, Jolly Grammarをどこまで教えるか
昨年Jolly Grammar4が発売されましたが、これについては、まだあまり教材研究ができていません。
当教室では、Jolly Grammar3までは教える予定ですが、Jolly Grammar4については、まだ迷っています。
GrammarはよくWritingのためだと言われます。Writingの目標として掲げたいのが、「パラグラフを書けること」です。Jolly Phonics1で最小単位(レターサウンド)について学び、Jolly Grammar1,2で単語や文について学び、Jolly Grammar3では、とうとうパラグラフも登場するのです。
もう少し私自身がJolly Grammar4の教材研究をしながら、生徒の希望も聞きつつ、導入するかどうか決めたいと思っています。